初めて補修工事を担当したら何から見る?|数量・図面・工程・現地照査の順番

施工管理

初めて補修工事を担当したころ、私は「まず何から確認すればいいのか」が分からず、実際の工事を進めながら試行錯誤して覚えてきました。

図面の読み方や施工方法は教えてもらえても、工事を渡されたときに「数量、図面、工程、現地照査をどの順番で確認すればいいのか」まで整理して教わる機会は多くありません。

この記事では、私自身が実務の中で身につけてきた、補修工事を着手するまでの確認順序をまとめます。

この記事は「補修工事のやり方」そのものを説明する記事ではありません。

工事を渡されたあと、何をどの順番で確認すれば手戻りを減らせるのか。

私が現場で失敗や試行錯誤を重ねながら身につけた、着手前確認の流れを整理したものです。

最初に数量を見て「何の工種がどれだけあるか」を把握する

私が最初に見るのは数量です。

この段階では、いきなり細かい施工条件まで確認するのではなく、

「どんな工種があるのか」
「それぞれどのくらいの数量があるのか」

を大きく把握します。

例えば、断面修復、ひび割れ補修、止水、鋼材補修など、工事の中にどのような工種が含まれているのかを確認します。

まず数量を見ることで、その工事の規模や大まかな内容を頭に入れてから図面を見ることができます。

次に図面で構造物全体を把握する

数量を確認したら、次に図面を見ます。

この段階でも、最初から細かい寸法や仕様を読むわけではありません。

まず、

「橋なのか」
「トンネルなのか」
「水路なのか」
「どのような構造物なのか」

を図面全体から把握します。

構造物全体の形が頭に入っていない状態で細かい数量や施工位置を追っても、工事全体のイメージを持ちにくいためです。

金抜き数量が図面のどこを指しているか確認する

構造物の全体像をつかんだら、金抜きの数量が図面上のどの部分を指しているのかを確認します。

数量表がある場合は、金抜き、数量表、図面を照らし合わせます。

数量表がない場合は、自分で数量を整理しながら、

「この数量は図面のどの箇所なのか」

を探します。

それでも数量の根拠が分からない場合は、元請に数量表などの資料を取り寄せてもらいます。

数量だけを見て施工を進めるのではなく、図面上の施工位置と数量を結び付けておくことが重要です。

工程表では「自分の工種がいつ入るか」を確認する

次に工程を確認します。

見るのは工期全体だけではありません。

まず確認するのは、

「自分の工種がいつ施工予定なのか」
「施工までどのくらい準備期間があるのか」

です。

施工日から逆算して、材料、人員、機械などの準備を始めます。

私が扱ってきた鋼材では、製作や納入まで数か月かかるケースもあります。

そのため、長納期品がある場合は、施工方法の細部を詰めるより先に納期を確認しなければならないこともあります。

一方で、モルタルなど比較的納期を読みやすい材料であれば、人員配置などを優先して確認することもあります。

足場、交通規制、重機、作業ヤードなども同時に確認し、問題がありそうなら早めに動けるようにしておきます。

全体を把握してから図面・特記を細かく読む

数量、構造物、工程を大きく把握したあとで、図面を詳しく読み込みます。

ここでは、

・施工位置
・寸法
・施工方法
・使用材料
・施工条件
・特記仕様
・品質管理条件
・出来形管理条件

などを確認します。

管理計画などの資料がある場合は、この段階で確認します。

必要な資料がない場合は、元請に取り寄せてもらうのか、自分たちで作成する必要があるのかを確認します。

重要なのは、資料がないことに施工直前になって気付かないことです。

図面を読んで「現場で確認すること」を先に決める

図面や特記を読み込んでいると、

「この施工条件では図面どおりできないかもしれない」
「この足場条件で本当に施工できるのか」
「図面の数量と現場が合っているのか」

といった疑問が出てきます。

このような部分をピックアップしてから現地調査に入ります。

現地調査は、何となく現場を見るために行くのではありません。

工事を始めるための照査として、

「図面と現場が合っているか」
「実際に施工できる条件がそろっているか」

を確認します。

現地照査では図面との相違と施工条件を確認する

現地では、図面との違いだけでなく、実際の施工条件も確認します。

例えば、

・施工位置
・損傷範囲
・寸法
・数量
・搬入経路
・作業ヤード
・足場
・電源
・水
・重機の配置
・交通規制
・周辺の障害物

などです。

補修工事では、設計時点と施工時点で損傷状況が変わっていることもあります。

また、図面上では施工できそうでも、現場へ行くと機械が入らない、足場が組めない、作業スペースが足りないといったこともあります。

そのため、図面の照査と施工条件の確認を同時に行います。

相違があれば図面と数量を整理して協議につなげる

現地照査で設計との相違が見つかった場合は、基本的に図面と数量を整理します。

そのうえで、元請から必要な変更協議を上げてもらいます。

ただし、工事の規模や工程によって進め方は変わります。

小規模な工事では、

1日目に現地照査

2日目の朝に立会

立会後すぐ施工開始

ということもあります。

このような場合は、現地調査へ入る前に、

「この状態ならこの方向で施工する」
「こういう相違があればこの対応を検討する」

といった方向性を元請とある程度詰めておきます。

現地で問題が見つかってからゼロから考えるより、事前に想定しておく方が工事を止めずに進めやすくなります。

施工計画や手順書は「誰が作るか」を先に決める

施工計画や施工手順書についても、着手直前になってから考えるのではなく、

「誰が作るのか」
「いつまでに必要なのか」

を元請と確認しておきます。

私自身は、基本的には元請が施工計画や手順を整理し、施工側はそれをもとに施工管理を行うものだと考えています。

ただし、補修工事に詳しくない元請の場合などは、施工側で資料を作成したり、たたき台を用意したりすることもあります。

重要なのは、どちらが作るかではなく、必要な資料が施工開始までに準備されていることです。

人員・材料・機械は施工日から逆算して手配する

施工時期が分かったら、人員、材料、機械を準備します。

人員配置を会社側で決める場合もありますが、自分で施工班や協力業者を用意する必要がある場合は早めに動きます。

必要であれば、現地調査の段階から実際に施工する人に同行してもらうこともあります。

材料や機械についても、施工直前に準備するのではなく、納期や運搬条件を確認して余裕を持って手配します。

特に鋼材などの長納期品は、初期段階で手配時期を判断することが重要です。

最後に安全・写真・出来形などの管理準備を確認する

施工開始前には、実際に現場を管理するための準備も必要です。

大きく分けると、

・安全管理
・施工写真
・出来形管理
・品質管理
・立会項目
・必要書類

などを確認します。

細かく挙げれば工種ごとに多くの項目がありますが、重要なのは、

「施工してから必要だったことに気付く」

状態を避けることです。

特に施工写真や出来形は、施工が終わってしまうと撮り直せないものがあります。

着手前に、何を管理して何を記録する必要があるのかを確認しておきます。

まとめ

補修工事を担当したとき、最初から図面の細部だけを読み込む必要はありません。

私の場合は、

数量

構造物全体

数量と図面の照合

工程

図面・特記の詳細確認

現地照査

協議

施工準備

という順番で確認します。

重要なのは、工事全体を大きく把握してから細部へ入っていくことです。

そして現地照査では、単に現場を見るのではなく、事前に図面や特記から疑問点を拾い出し、

「設計どおり施工できるのか」
「工事を始めるために何を解決する必要があるのか」

を確認します。

着手前の確認を早めに行うことで、材料が間に合わない、必要な協議が終わっていない、施工条件が合わないといった手戻りを減らしやすくなります。

※本記事は、補修工事の施工管理経験をもとに、着手前確認の考え方を整理したものです。実際の施工では、契約条件、設計図書、施工計画、発注者・元請との協議内容などを確認してください。

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